求人広告を出しても応募が集まらない。そんな悩みを抱える企業は少なくありません。
今の求職者に届く求人には、媒体の選び方だけでなく「発信の工夫」や「情報の見せ方」が重要です。
本記事では、従来の手法に加え、SNSや動画などユニークなアプローチを取り入れた効果的な求人戦略を、具体例とともにご紹介します。

応募数を増やすには「求人の出し方」だけでなく「見せ方」が重要

求人を出せば人が集まる時代は終わり、どこで出すかだけでなく、どう見せるかが問われる時代になっています。求職者が複数の企業を比較しながら応募を検討する中で、他社と似たような求人情報では、印象に残ることすら難しくなっています。
求人広告だけでは届かない層が増えている理由
特に若年層や転職検討中の人は、求人サイトだけでなくSNSや口コミ、企業ホームページなどの「周辺情報」も含めて就職先を判断しています。
- 求人情報は“きっかけ”に過ぎず、決め手は「リアルな情報」
- 写真や動画、現場の空気感が伝わる発信が重視される
- 応募前に企業のSNSやホームページをチェックする傾向が高い
応募が集まりにくい企業がやりがちな共通の落とし穴
応募数が伸び悩む企業には、以下のような共通点が見られます。
- 求人の内容が抽象的で、「結局どんな仕事か」が伝わっていない
- 自社の強みや職場の魅力を表現しきれていない
- 競合と差別化できておらず、記憶に残らない
そのため、ただ条件を並べるだけでなく、求職者が「自分に合っている」と感じるストーリーや空気感を持たせることが、応募を引き寄せるカギとなります。
効果的な求人手法の組み合わせ方

応募数を増やすためには、単一の求人方法に頼るのではなく、複数の手法をターゲットに合わせて組み合わせることが重要です。
それぞれの手法には得意な層や特徴があり、自社の採用目的や募集職種に応じて、適切に活用することで効果を最大化できます。
求職者の層別に考えるべきアプローチの違い
求人手法を選ぶ際は、まず「誰に向けて募集するのか」を明確にしましょう。
ターゲットによって、効果的なアプローチが異なります。
- 若年層・アルバイト希望者向け: SNS、求人アプリ、バイトルやマイナビバイトなど
- 中途・即戦力層向け: 転職サイト(リクナビNEXT、dodaなど)、人材紹介
- 地域密着・パート主婦層向け: ハローワーク、地元フリーペーパー、地域掲示板
- 専門職・スキル職: 業界特化型求人メディア、LinkedInなどのビジネスSNS
求人媒体(ハローワーク・求人広告・転職サイト)の使い分け方
それぞれの媒体にもメリットと限界があります。状況に応じた併用が理想です。
媒体 | 特徴 | 向いている募集 |
---|---|---|
ハローワーク | 無料。地元志向の求職者と接点が持てる | 地域採用、シニア層、事務・作業系 |
求人広告(紙・Web) | 露出が高い。即時性がある | アルバイト・短期採用 |
転職サイト | 幅広い層にリーチ。職種別掲載が可能 | 中途採用・スキル人材 |
どの手法も単体で完結させようとせず、自社のニーズに合わせて柔軟に組み合わせることが、安定的な応募獲得につながります。
応募数アップに直結する情報発信の工夫

求人の「見せ方」は、媒体の中だけにとどまりません。企業が日常的に発信している情報そのものが、採用活動の武器になる時代です。
特にSNSや自社サイトを活用した“魅せる工夫”ができている企業は、応募数だけでなく応募者の質も向上しやすい傾向にあります。
SNSの活用|日常を伝えて共感を集める方法
今や、求職者は企業のSNSもチェックするのが当たり前。特に若年層ほど、求人票よりもSNSの雰囲気で「自分に合いそうか」を判断しています。
- InstagramやXで、社内イベント・社員の声・働く様子を発信
- 「実際に働く人の空気感」を、言葉よりも写真・動画で伝える
- ストーリーズで求人情報や募集告知を行い、軽くタッチできる導線をつくる
自社求人サイトや採用ページで伝えるべきコンテンツとは
SNSから興味を持った求職者が次に訪れるのが、自社の採用ページや自社求人サイトの「採用情報」です。
ここに十分な情報がなければ、せっかくの興味も離脱に変わってしまいます。
掲載すべき代表的なコンテンツ
- 募集職種と仕事内容(図や写真付きが望ましい)
- 社員紹介・インタビュー記事
- 1日の業務の流れ、キャリアステップの例
- 働く環境(福利厚生・休暇制度・オフィスの写真など)
- 経営者・人事からのメッセージ
動画・インタビュー・職場紹介がもたらすリアルな魅力発信
静的なテキスト情報だけでなく、動画を使った動的コンテンツの活用も効果的です。
- オフィスツアーや現場の紹介動画
- 社員のインタビュー(5〜10分程度)
- 代表や先輩社員によるメッセージ動画
- 社内イベントの様子や仕事風景のショートクリップ
ユニークなアイデアで応募者の心を動かす方法

応募数を増やすには、求人媒体や情報の見せ方に加えて、「応募したくなる仕掛け」や「印象に残る取り組み」を取り入れることも有効です。
他社と似たような募集情報が並ぶ中で、少しの工夫が求職者の興味を引くきっかけとなり、応募率アップに直結します。
リファラル採用(社員紹介)の強化と仕組みづくり
リファラル採用とは、社員が知人や友人を紹介して採用につなげる仕組みのこと。
信頼性が高く、職場のリアルを知った上で応募するため、定着率も高い傾向にあります。
- 紹介した社員・紹介された人、双方にインセンティブを設ける
- 社内報やミーティングで制度を定期的に告知し、協力を促す
- 成功事例を共有し、「自分も紹介してみよう」と思える空気づくりを
オンライン会社説明会・ライブ配信を活用する
遠方の求職者や在職中の転職検討者にとって、オンラインで企業の雰囲気を知れる機会は大きな価値になります。
- ZoomやYouTubeを使った会社説明会の定期開催
- 社員との座談会や質問タイムを交えた双方向型イベント
- SNSライブ機能でカジュアルに現場の様子を紹介
“ミスマッチを防ぐ”応募前アプローチのアイデアとは
応募は来たものの「面接に来ない」「入社後すぐ辞めてしまう」──
そういったミスマッチを防ぐには、応募前に自社を深く知ってもらう接点を増やすことがカギです。
- 「1day職場体験」や「カジュアル面談」の導入
- LINEで気軽に質問・相談できる採用チャット窓口の設置
- 応募前に“相談だけOK”の導線を設けて不安を解消
応募数を集めた後にやるべきポイント

求人への応募が集まり始めても、それだけで採用が成功するわけではありません。応募から面接、そして入社に至るまでのプロセスを丁寧に設計・運用することが、採用の成果を大きく左右します。
面接率を下げないための応募対応の基本
どれだけ魅力的な求人情報を出しても、応募後の対応が遅かったり雑だったりすると、求職者の熱意は一気に冷めてしまいます。
- 応募から24時間以内の連絡を基本とする
- 電話・メール・SNSなど複数の手段で柔軟に連絡を取る
- 面接日程は候補を複数提示し、求職者の都合に合わせやすくする
伝えっぱなしにしない!選考中のフォローが与える印象
応募から内定までの間、連絡が空いてしまうと不安や不信感が生まれ、離脱につながります。こまめなフォローによって、企業への好印象をキープすることができます。
- 面接後には必ずお礼メールと結果連絡の目安日を伝える
- 選考中でも「選考は順調に進んでいます」といった中間フォローを行う
- 内定通知後も、入社前の不安や疑問をヒアリングする時間を設ける
応募数は「手法×表現×工夫」で変わる
求人活動で思うように応募数が集まらないとき、媒体選びや掲載場所だけでなく、伝え方そのものを見直すことが大切です。
求人手法の選定はもちろん、誰に・どんな表現で・どのような導線で届けるかが、応募数を大きく左右します。
- 複数の媒体をターゲットごとに使い分ける
- SNSや動画、自社求人サイト(採用ページ)で自社の魅力を“リアルに”伝える
- リファラルやオンライン説明会など、応募前の接点を工夫する
- 応募後のスピード感と丁寧なフォローを徹底する
求職者が企業を「選ぶ」時代だからこそ、単なる情報発信ではなく、心に届くアプローチが差を生みます。
求人の内容・手法・運用の3つを掛け合わせることで、応募数の安定化と採用の質の向上が見込めるはずです。
